人生、それはわからん

最後から二番目の虚妄

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101匹わんちゃん(二進法)

  1. 2011.11.17(木) _17:32:14
  2. メイジももんじゃ
  3.  コメント:0
説明しよう! 101匹わんちゃんとは! 5匹である!






小説の基本的な描写視点には三種類がある。
【一人称】
【三人称(一元)】
【三人称(多元)】
の三つだ。

それぞれ
【主人公自身の視点】
【主人公の代弁者の視点】
【全登場人物を包括的に見る神の視点】
と分けられる。

私は主に三人称一元描写と三人称多元描写を、シーンの切り替え毎に使い分けている。
その時、何を描写したいのか、何を描写しなければならないのか、それに適したものを。

一人称描写は情報が限定されており、
連続的に書きやすく描写は楽なのだが、基本的には使わない。
気を付けなければならないことは、そのシーンの空気を、
語句の選択、文章の長さ、全体の語り口などで表現しなければならない事だ。

いや、直接的な形容詞を使ってもいいのだが、それは【読者に感じて欲しい事】であり、
この【誰でもない語り手】はその描写を控えなければならない。

たとえば、どこか人間性の欠如した、淡泊な登場人物二人による、
諦観の念を端々に含む会話。
この時は、周囲の風景の”色”を過度に描写することを避ける。
ただ淡々と、最低限の情景と、人物の挙動を描写する。
すると、読者はそのシーンから、どこか色を失ったような寂寥の空気を感じ取れる。

“その有りふれた空間からは、どこか物寂しい印象を受ける”なんて、
直接的な描写をしてはならない。
それは【それを客観視する誰か】によってのみ感じ取れるものだからだ。

一人称描写なら、使って良い。また、それを見ている誰かの代弁
(~と、○○は思った のような)でなら可。

(これは飽くまでも原則であり、いわゆる「縛りプレイ」のルールとも言える。
 直接的に言ってしまった方が解りやすいし、娯楽小説としては複雑にしすぎない方が
 読者も軽い気持ちで読める。……だが、上を目指すなら、
 間接的な描写で空気を表現することはモノカキの永遠の課題と言える)

何が言いたいかというと、淡泊な描写ってものが難しすぎて死にそう。






淡泊と単調は違う。
その輪郭の曖昧な一線を見極め、決して越えずに“淡泊だが単調ではない描写”を
軽々と書き連ねられるようになって初めて一人前に一歩近づけるのだ。

それまでは一歩すら近づけていない。
それはただの文字の塊だ。

一人称描写の根本的な注意点はたった一つ、
『描写者(主役)の見ていない事象、知らない知識は描写できない』という一点に尽きる。

物語の終了後、過去を振り返る形で言うことはできても、他人の心情は描写できない。
“~そうに見える”程度の事しか言えないのだ。一人称視点の最も有効な使い方は、
『章ごとに違う人物の一人称から一つの事象を描写し、臨場感を持たせる』事だと私は思う。

例えばサスペンスでは、探偵役と犯人役の一人称描写を交互に繰り返すことによって、
次第に近付く(またはすれ違い、離れる)両者の距離に緊張感を持たせることができる。
また、何より本人そのものの視点で物語が描かれるので、読者を感情移入させやすい
(そういうギミックを作りやすい)という点は最も考慮すべき点だろう。

情景描写・心理描写・生理描写のバランスと順序をよく考えることで、
他の追随を許さない臨場感を書き表すことができる。
三人称一元描写は『カメラの描写』であり、しかし描写の方法は一人称とほぼ変わらない。

本人そのものの視点では無いとは言えど、感情の代弁を行うこともできる。
描写可能な領域に【本人が見ていない・最後まで知らなかった部分】が追加されるくらいだ。

三人称多元描写は、複数の登場人物の視点、心理の変遷や生理現象、行動などの情報を、
主観的にも客観的にも描写することができる。
それ故に、管理すべき情報量がとんでもないことになり、書き手が整理するにも、
読者が理解するにも難解になる可能性がある。
プロですら多くは避ける描写方法である。

多元描写を使いこなすのは非常に難しいが、うまく使えば、
立体感を持った多彩な表現をテクニカルに使い分けることが可能である。

例えば、AがBに小さな袋を渡すシーン。
「AはBに袋を手渡した」と書けばそれまでだが
「緊張に震える口角を、態とらしいにやつきで隠しながら、Aは小さな袋を差し出す。
 路端に佇む寂びた鏡は、Bがそれを受け取る姿を、物言わず映し込んでいた」
のように描写できる。

「緊張に震える」はA本人から見た情報。
「態とらしく」はBから見た情報。
そして最後の鏡については、「後々、それを鏡越しに見ていた第三者が登場するための情報」
として、それをまだ明かさず、さらに別視点から描写している。

文章は難しい。絵と同じだ。ある程度書けるようになってからが勝負だ。個性の。
基礎を踏襲してから崩す。その崩し方が難しい。






オリジナルTRPGシステム、結構好評です。やったー!
魔法型が強すぎるので下方修正と、他の上方修正を予定。



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