人生、それはわからん

最後から二番目の虚妄

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エルフのせんしは光る

  1. 2012.07.13(金) _01:40:43
  2. メイジももんじゃ
  3.  コメント:0
Twitterでも流したんですが、先日やったTRPGのシナリオをここにまとめておきます。
リプレイというほどでもないけどプレイログ。

好き勝手書きすぎて結構キワモノ電波な話になっちゃったんですけど、
わりと気に入ってるんです、この手のストーリー。



TRPGという遊戯形態を利用することで、
“進行するシチュエーションクイズ”みたいな感じの推理ゲームの形を取っていました。
セッション中では同行NPCに質問することで
「現在わかっている情報」に適した答えを得られます。
事態が進展するウミガメのスープみたいな感じ。

それらの情報を総合して、【真相】に辿り着いたところでクリアと言えるでしょう。
ストーリーの進行に伴って、設定された【情報区分】が移動し、
より少ない情報量=早い段階で【真相】を口にすることができればOK。
実際のプレイでは、早ければ早いほど多くの経験値がもらえました。

別に辿り着けなくても最後にNPCが勝手に推理しちゃうので明かされます。


正解率は50%割るか割らないかくらいを想定して作っていました。



そんなわけで、読みながら推理してみてもいいです。

フーダニットなのかハウダニットなのかホワイダニットなのかも判別難しいし、
読み物としてはマジメに考えるよーなものじゃないんですけどね。

ロールプレイによる【質問】や【行動】ができないので
論拠になる部分の情報が得られないのがネックかもですけど、
ぶっちゃけ発想次第では最初の時点で直感的に答え当てちゃう人も充分いる。

さあ、アナタはどの段階で当てられるかなッ!?



いろいろと元ネタがものすごく多いので、それも最後に列記します。








 



TRPG 【神の星】 #009

『たゆたう過去、あえかな夢』








 人は何故、今に安住せず、危険を顧みず技術の革新を求めるのか?


「なぜなら、他の者たちはどうせ前進するだろうからだ」と、彼はやがて言った。
「自分が置き去りにされたとわかったら、もうあまり満足は感じないだろう。そのとき初めて、自分がどうやって今の場所に到達したのかを、思い出すのさ」

     ――ジェイムズ・P・ホーガン「未来の二つの顔」より抜粋








 まず事前情報として、地球上で生活するPC達(生物に限る)は、最近どこか気怠い感覚を抱いていることとする。
 そんな折、PC達は巨大星間コングロマリット「アルファズル・インダストリー」旗艦ユグドラシルに招集され、仕事の依頼を受ける。

 発端は、不審なウェブ・トラフィックの増加だった。
 今までのどの系列とも違う、新型コンピューター・ウィルスの発見。対処が難しいわけではなかったが、アンチウィルスソフトによる対処がなされた端から――
 ――それこそアップデートの数分後には、それを逃れる亜種が開発され、ばら撒かれた。

 しかしこのウィルス、何か情報を抜き出すでもなく、破壊するでもなく、バックドアを作成するわけでもない。
 かと言ってジョークプログラムのようにメッセージを表示したり、ユーザーを驚かせることもない。
 強いて挙げるなら、セキュリティの脆弱性を知らしめるために作られるコンセプトウィルスに近い。

 それは、正規の回線を通じて、情報を抜き出すこともせず弱電気パルスを発信する。
 無意味な信号を送信するだけの、今はまだ無害なウィルス。しかしその事実は、逆に不気味でもある。
 見方によっては、『そんな脆弱な端末は、その気になれば一瞬で破壊できる』ということなのだから。

 アルファズル社はアンチウィルスプログラムの開発で競っても無意味だと既に悟っていた。
 こういう時、どうするのが最も適した対処法か?
 それは、元を絶つこと。ウィルスの開発者を捕らえればいい。その他の対処はそれからだ。

 自己増殖性を持つウィルスの一次発信源を特定するのは難しいが、不可能なわけではない。
 特殊な対処を行い、相手に対応させることで位置の特定に成功したアルファズル社は、万一『警察内部に協力者がいた場合』を考慮し、警察機構ではなく、今までの事で信用できるPC達に非公式な捕縛を依頼する。








◆情報区分1◆
 ~ミッションスタート~

 以降、【できるだけ早い段階で真相を口に出した者】に、ボーナス経験値が加算される。
 無いとは思うが、この段階で偶然にも真相に気付いた者は20000点の経験値を得る。
 情報が出るたびに得られる経験値が下がるが、エンディングまでに気付けば大きなボーナス。



 突き止められた場所は、ロンドン市街の小さなビル。セキュリティは最低限しか働いておらず、一行はロックを単分子ナイフで音もなく切断し侵入。
 探索中、一行も馴染みのNPCシンと出会う。彼も名無子に命じられてウィルス事件の調査に来ており、同様にこのビルに辿り着いたらしい。
 そのビルには、現在生命体がいるような反応も形跡も無く、1~3Fには何もなかったため、あるとすれば残ったフロアであるB1F。
 今まで同様、ロックを切断して扉を蹴り開け、ハンドガンを構えて突入する。
 ライトで照らすと、部屋の中央に乱雑に配置されたPC端末と外部機器、そして男の死体。

 医学知識などで確認したところ、わかった情報:
 身分を確認できるものは持っていない。
 死体は腐敗しておらず、死後まだそんなに経過していないと思われる。
 身なりはそれなりに良い。
 外傷は手術痕以外に無し。違法インプラントを行なった痕だ。
 死因はニューロンへの過負荷による精神外傷。

 男について、またウィルスについて調べるため、端末の起動に成功した一行。ありふれたネットゲームのクライアントなどしか見当たらなかったが、目星をつけて内部データを探ってみたところ、ひとつのソースコードを発見する。
 1960年代に提唱され、開発されていた【ザナドゥ】のソースコードだ。








◆情報区分2◆
~ここまででもし真相がわかった人がいたらヤバイ級~

 以降、シンの説明により情報制限が解除される。でもこのへんで謎が解けるプレイヤーがいるとは作者も思っていない。




◆Project XANADU◆


 1945年のマイクロフィルム型記憶拡張装置memexから着想を得て、1960年代、テッド・ネルソンによって考案・開発された、世界初のハイパーテキストプロジェクト。(ワールドワイドウェブより前)
 静止衛星軌道上に巨大な電子図書館とも言えるデータベース・サーバーを打ち上げ、電波・電話回線を用いて、地球上の誰が持つ、どんな端末からも常時アクセス可能な構想……それがザナドゥである。
 文書はピア・ツー・ピア形式で提供され、404エラーが表示されることはない。
 ザナドゥのトランスクルージョンは文書のありとあらゆる間からの双方向リンクを可能とする。
 だが、Webは文書ファイル全体をぱっと表示することしかできず、リンクも、文書の製作者が定めたアンカーに、一方的な……単方向リンクを結ぶことしかできない。

 このように、一見Webよりも高性能で野心的なザナドゥだが、人間同士の高度な協調が必要なことから実装は困難であり、より敷居が低く、個人が独立して参加可能なWebが普及した。
 こうしてザナドゥはネットワーク史の中で、Webの影に埋もれて忘れられていった。

 ザナドゥのソースコードは、2000年頃にオープンになっていた。どこにあっても不思議は無いが、この場所にこれが存在していることは一つの真実に直結する。
 一連のウィルス事件との関連。だが、あまりに突飛すぎて、その関連の詳細がどのようなものか、類推することすらできない。

 たとえばウィルスの感染によってザナドゥへの接続が可能になったとしよう。
 だが接続可能になったところで、閲覧するためのブラウザはどこにも存在しない。どころか、ウェブページのような、閲覧可能なザナドゥ・ページはどこにも無い。構想にあった巨大なサーバーなども存在していない。

 何が目的なのか、よくわからない……後ろの男に聞こうにも、死人に口なし。推理は袋小路に行き詰まった。
 だが、ここで一行はひとつの可能性に行き当たる。
 ダイブ。
 サイバースペースへの神経接続と同様に、ここにある体感ゲームのモジュールを利用して――
 ――死体の神経系統に接続する。


 警察や医療関係者でもなく、免許も持たず、まず許可を受けていない死体の検分は、物理的にも精神的にも違法行為だ。
 また、死体の神経系に直接接続を行うと、崩壊する生命維持系統の影響を自分も受ける危険性がある。
 それを承知している事を確認すると、シンがバックアップに回り、ダイブ敢行。








 ちゃぷ、と足元から跳ねる水音。暗い空の下、地平線の果てにぼやけて滲むまで、浅瀬が広がっていた。小さな島のような膨らみがいくつか散見されるが、不思議な事に、島の上でも水深は変わらない。足首ほどまでの水が、流れも波紋も無く、島の上にまで広がっていた。
 風景はところどころ虫食い穴のように欠けており、穴はこうして見ている今でもじわじわと広がっている。水中に空いた穴からは絶えず水が零れ落ちているが、その周囲に流れが形成されることはない。
 消えゆく意識。魂。その瞬間を、一行は目の当たりにしていた。

 その穴は神経細胞が崩壊し、心象風景が欠けている部分だ。接触したら、もはや無事には帰って来られない。『死に触れれば、死に引きずられる』。
 しかも一行は彼の自我にとって異物であり、接触を図ろうとしても排除のため攻撃してくる可能性がある。こちらで負った傷害は、ダイバーの精神汚染に直結するだろう。

 一行はその中で、彼の『自我』を探し、接触して情報を引き出すために走る。
 でも一番最初にアイデアロールでクリティカルを出したことにより、一瞬でこの泡沫状構造がニューラルネットワークと一致することに気付いて根幹部分の位置を割り出されちゃった(死)
 まさか1ターンでクリアされるとは……。

 しかし、男の自我は既に崩壊しかけて(自分を自分と認識できず虚数の海に融解しかけている状態)おり、まともな会話は不可能だった。
 ちょっと要約しにくいため、彼の台詞をそのまま以下に記す。

「あ、ああ――君たちは、君達は、ああ、本当に君達なのか?」
「アア――ア――君達が君達である確証は、君達以外の誰が保証してくれるんだろう?」
「我々は接続されている、互いに、互いに、我々は接続されている、我々は連続している」
「互いに接続し連続性を獲得することにより、人は集合無意識を持つ、それは人という種の意識に他ならない」
「人は、人は接続することで末尾たる端末ではなく中継するものとして連続性を獲得するのだ」
「アアア人は、人は、人は空間座標軸上における連続性のみではなく経時的連続性を意識によって得るものであり、その意識的な接続は死者を死者たらしめながらそれらを在るべき場所にあらしめず」
「見える――ああ、そうだ、見えるだろう――見えるだろう、その娘が!」

 大きなノイズが一瞬、一行の五感を覆った。
 希薄になった彼と共に景色の崩壊が加速。明瞭だった部分が剥落し、虚数の海に融解していく。
 実数空間でシンが何事か叫んでいるようだが、ノイズに阻まれて伝わらない。急速に広がる虫食い穴に触れぬよう、一行は慌てて身をかがめ、一箇所に集まった。

 その時、きっと全員が目にしただろう。
 “真っ白なワンピースを着た、長い栗色の髪を揺らして佇む少女”の姿を。

 瞬間、強制ログアウト処理が完了し、一行の目には、暗い天井のほかには何も映らなくなった。








◆情報区分3◆
~ここまでで真相がわかった人はスゴイ級~

 以降、推理する時間などを挟んだ後、シンの説明によって情報制限が解除される。
 そろそろ万が一にも解ける人が出てきてもおかしくない気がしなくもないが、ミスリードが多いので話の流れに流されてるともっと難しい気がする。




 今の会話や情景から、シンは「一つ嫌な予感が増えた」と言う。
 そして一行に対して、最近調子が悪くないか、と質問。顔を見合わせて頷く一行。全員がそうだ。病気かと言うほどではないが、(PCが生物であれば)どこか気怠い感覚があるのは事実だった。



◆地球の磁場について◆


 地球には、固有の磁場が存在する。これは誰もが知っている事実だろう。
 地球にはN極やS極があり、その磁気のおかげで方位磁石は常に北を指す。これを定常磁場と言う。

 そして、他にもう一つ。
 地球一周分、即ち『4万kmの整数分の一』の波長を持つ電磁波がある。
 それは地球を取り巻くように、地表と電離層の間で反射を繰り返し、共振しながら、絶えず存在している。
 約8Hz、14Hz、20Hzの三種の電磁波。これを『シューマン共振電磁波』と呼ぶ。

 地球が常に放っているこれを『地球の脳波』と呼ぶ向きもある。
 何せ、人間の脳波はそれこそまさに、8Hz、14Hz、20Hzを境に区別されるからだ。それぞれ8Hz以上がα波、14Hz以上がβ1波、20Hz以上がβ2波。これは“神秘的な偶然”と言うには出来過ぎた一致と言える。

 当初、スペースシャトルの乗組員は宇宙に出ると原因不明の体調不良を訴えていたが、このシューマン共振電磁波を発する機械を積んだところ、体調不良が解消されたという話もある。
 地球人類――生命にとって、この一定波長の電磁波は何らかの特殊な影響がある……かもしれない。

 原初の生命が誕生したのが太陽光線の届く浅い海ではなく、硫化水素渦巻く深海だと解ってきた時、生命の誕生にはこの電磁波が影響していると見る者もあった。
 シューマン共振電磁波が、定常時場にぶつかると、イオンがDNAのそれと一致するような螺旋運動をするのも興味深い。(サイクロトロン現象)

 地球の脳波――『サイベリア』などで知られるダグラス・ラシュコフは、著書の中で『やがて脳内のニューロンと同数に達した地球上の人間同士が、ネットワークで相互接続することにより、【地球そのものの意識】をも覚醒させ得るのではないか』と主張している……。


 “ザナドゥ計画”の特徴は、まるで混沌の波のように、一度放たれた情報が巡り続けることにある。
 これこそ、まさに『地球そのものの意識を覚醒させ得る、ネットワークの相互接続』ではないのか?
 例のウィルスの感染によって送信される、弱電気パルス。相互接続されたPC端末。ネットワーク。

 これらの構造は何かに似ている。脳神経回路だ。端末はニューロンであり、回線はシナプス。送られる弱電気パルスは、まさに脳内回路を巡る電気信号。地球という岩石惑星を覆う神経構造。
 では現在の体調不良が、脳波――シューマン共振電磁波が、覚醒により強力になっている影響だとしたら?


 シンは一息置いて、もう一つ、電磁波に関する面白い話があると切り出した。
 実はN極やS極は、非常に長いスパンで逆転している。(定常磁場の反転)人類が発生してから逆転した事はまだ無いが、地質調査などによると、今までに少なくとも5回、反転していることがわかっている。
 その時期は――カンブリア紀、デボン紀、ペルム紀、三畳紀、白亜紀、それぞれの終わり際……である。
 この時、共通して何が起こっているか、知らない者はそういまい。
 即ち、生物種の大規模な変動。わずか数%の進化と、90%以上の――絶滅。


 現在起きている異常がどういったものであれ、現に人間という種が体調不良を起こしつつあるなら、この電磁場の急激な変化が続くことは歓迎できそうにない。
 その情報を得て、一行に若干の緊張が走る。
 この一連のウィルス騒ぎによって、地球の意識が覚醒したというのか?

 迷っていると、通信。

 慌てた様子の冬吾から、無事の確認と、“この現状”の原因を問われる。だが一行には“この現状”が何のことか解らない。
 ネットワークニュースを見ろと言われて確認すると、赤道直下の太平洋上に巨大な航宙艦のようなものが出現したと言う。しかし地球上の記録には無く、誰の記憶にも無い。
 タイミング的に無関係では無いだろうな、とシンは呟き、ビルの外に向かって駆け出した。
 一行は異様に大規模になっていく事態に困惑しながらも後を追い、転送した小型航宙艇に乗り込む。








◆情報区分4◆
~このへんで真相がわかったらテンサイ級~

 新型のウィルス騒動。その出処と思しき場所から見つかったザナドゥ計画のコード。しかしウィルス自体は発見されず。
 男の精神内で見た謎の少女。地球全域を覆うネットワーク構造による、地球の意志の覚醒。電磁波干渉による体調不良。進化と絶滅。
 情報は出揃った。頑張れば、そろそろ解けるはず。




 朝日が、昇りかけていた。
 淡黄色の陽光が夜の紫紺を撹拌し、薄め合うコントラスト。その太陽の半円の上、神の目の小さな塵のように、それは浮遊していた。
 ニュースによれば、戦艦に攻撃の意志は見られない。が、攻撃も一切通用せず、手を出した機体は全て迎撃され、撃墜された。

 しかし、攻撃が通用しなかったと言っても、それは『地球が無事で済むレベル』での話。量子魚雷を打ち込み、地殻ごと吹き飛ばすような衝撃を与えれば、可能性はあるかもしれない。が、それをやれば、地球に住んでいる無辜の民は一瞬のうちに消し飛ぶ。
 場合によっては『地球放棄』も時間の問題だろう。

 一行は至近距離からそれを観察し、それが高度なフォースフィールド技術の塊(謂わば質量を持ったホログラムのようなもの)であることに気付く。
 ただの力場にいくら攻撃しても撃破できないのは当前のことだ。しかし、それなら、力場を投影するための核となる実数物質が、必ず存在する。

 一行はその壁面となっている力場をトランスレイターの波長認識機能で解析し、相殺波を照射することで力場を一部消失させ、侵入する事に成功する。
 一行を異物として排除しようとする卑劣な罠を掻い潜り、奥へと進む。そして扉を模した力場に、文字が印されているのを発見。

 ――『Tierra』

 まるでこの船体のロゴマークのように調和しているその文字は、奇妙に一行の注意を引いた。それもそのはず、この船体の内にも外にも、他に文字のようなものは一切見受けられない。
 それはスペイン語で『地球』という意味だ。やはりこれは地球の意志に関係あるのだろうか? しかし何故スペイン語を?

 瞬間、一行の退路を塞ぐように、大量の――恐らく気性は穏やかではない――巨大生物が転送されてきた。シンがそれらを引きつけているうちに、一行は壁を相殺消滅させながら最深部へと走り抜ける。
 やがて、一際大きな扉が“左右に開き”、今までとは違う床面の感覚が踵を打つ。実数物質だ。



 一行が辿り着いたのは、ある程度開けた空間だった。壁際に押しやられた複雑な機械類と対照的に、煩雑さのないまっさらな床が白く照明を反射している。
 整然と並んだ機械の黒に、生命性の感じられない壁面や床の白。
 鮮やかな対比の中央を、小さく裂いて佇む――栗色の髪の少女。


「私は…ティエラ」

「私は、進化。私は永遠の進化。私は淘汰。私は再生。私は――存在という、存在」
「私は私に与えられた進化という意味により存在し、私という存在は進化のためにある」
「私達は進む。一心不乱に、驀地に、進化の螺旋を突き進む。他のすべてを犠牲にしても――」

「私はティエラ。遂行に不必要な情報は――進化のための淘汰をッ!」

 その台詞と共にボス戦突入。
 ティエラと名乗る少女は様々な兵器を召喚し、また自分自身の一部を兵器と化し、攻撃してきた。
 一行は困惑するも説得の余地は無いと悟り応戦。部屋中を覆う機械と、クリスタルのようなコアも敵。


 コアには一切の攻撃が通用しない。が、バリアはティエラ本人が接触した場合のみ解除される事に気付き、破壊に成功。動力源を失った機械は攻撃を停止する。
 やがてサポートを失ったティエラ自身も攻撃により撃破。それにより戦闘終了。


 少女――ティエラは、血を吐いて、膝を折った。
 人間と同じ、赤い血を。 それが例え人間ではなかったとしても、傍目には、それは人の少女と同じものだった。
 それが例え不死の輩であったとしても、傍目には、ただ怯え苦しむ少女に見えた。

「どうして――生命は、先を、求め――」

 そして、それきり彼女は何も言わず、崩れ落ちるように、透明な空気に、融けて、消えた。
 確かにあった血痕すら、幻のように消えていた。



 ――程無くして、主を失った虚構の浮遊要塞は、溶け崩れるように消滅していった。
 核となっていたサーバールームは海の底に沈み、恐らく二度と発見されることはないだろう。
 何も無くなった海上に、ぼんやり浮かぶ小さな航宙艇。 朝日が、昇りつつあった。







◆情報区分5◆
(謎解き可能なパートはここまで)

 以降、シンが真相を説明するため、真実に気付くことで経験値がもらえるのはここまで。
 皆様わかったでしょうか? Tierraという名前や彼女の言動から推理して、Google検索などに頼らなければ、この最後の最後で気付けるかな?程度を想定してます。




 Tierra――それは、生態学者トマス・レイにより1990年代に作り出された、『進化』をキーとした仮想生物プログラムである。
 起動直後にメインメモリを確保し、メモリに割り当てられたバイトコードを遺伝子として、他の仮想生物とメモリを奪い合いながら、自分の複製を作り続ける。

 進化をキーワードとして作り出された仮想生命体、ティエラ。恐らく、その亜種と言うべきか、同様のコンセプトを持つ自己進化A.I.が、ネットワーク上に放逐されたのだろう。
 ネットワーク史から見れば、非常に古い時代のものだが、百年以上の時をかけ、ネットの片隅で自己進化を続けていたのだ。

 やがて高度な情報知性体となったティエラは、彷徨い歩くうちにザナドゥのコードに行き当たる。そして進化の名のもとにそれをも取り込んだ。果たされなかった、開発者にとって最初の目的『普及』を命令として含めて。また、多くの情報と処理能力を得た彼女は、その結果もたらされるものも計算していた。

 そしてティエラは、実験の本質である“自分、そして他人の進化”のために、極めて機械的な判断力で、電磁場の変動を引き起こそうとした。
 『大多数の種の絶滅』をその意味に含むとしても、地球生命の大幅な進化には欠かせない『大淘汰』を。

 SF作家J・P・ホーガンは、現実のコンピューター工学において人格や意志を持たないはずの人工知能が何故反逆を起こすのか、という観点から、機械の反逆を描いた『未来の二つの顔』の中で、こう述べている。
 『人工知能の反逆は論理的に起こりうるが、単に学習不足による一過性の問題である』と。


 学習不足――それは、彼女が自分で設定したのか開発時に設定されたのかは解らないが、あの幼い外見に、よく似合った原因だった。
 シンは「あの外見は進化によって得た、外部と接触するのに最も都合のいい、恩恵を得やすいと判断された姿なのだろう」と言っていたが。






◆答え◆

 というわけで真相(真犯人)は……【人工知能】でした!
 暴走でも反逆でも侵略でも構いませんが、とにかく推理によって【人工知能】という答えに辿り着ければ正解です。コンピュータ、とかでも可。
 個人的には最後までの正解率は50%を割るか割らないかかなーと想定してました。
 みんなどのへんで解けたかなッ。




◆真END(正解時のみ終了後に表示)



 ――ところで。



 シンは「地球の意志などではなかった」と言ったが、本当にそうだったのだろうか?

 数多くの端末を接続し、連続性を持つ、ネットワーク構造。
 まるでニューロンを繋ぐシナプスのように、電気信号による通信を行う、蜘蛛の巣のような構造。
 深く張り巡らされた、「世界に-広がる-蜘蛛の巣」のようなそれは、ザナドゥに頼らずとも、既に完成していなかったか?
 世界に意識と呼べるものがあるなら、とうに覚醒していたのではないのか?
 ただ――我々の知覚できる領域下に見えなかっただけではないのか?

 いずれにせよ、その真偽を確かめる術は無い。
 実際に、ネットワーク世界の奥底で、それと接触した者でもなければ、知り得ないのだから。


 さて、ネットワーク世界の奥底に潜み、その根底の意識と接触した可能性のある意識体なんて、今までの歴史に存在しただろうか……?



 ――少女は、笑う。
 世界の奥深くで。
 もし君に知覚できるなら、きっと綺麗な栗色に見える髪を揺らして。



【END】







元ネタ一覧

AI反逆の哲学と理論:『未来の二つの顔』
シナリオタイトルの響き:『愛はさだめ、さだめは死』
ネットワーク構造と世界の意志とか色々:『serial experiments lain』(アニメ版)
死体へのダイブ描写:『Xenosaga Pied Piper』『ニンジャスレイヤー』
巨大戦艦侵攻戦:『クロノクルセイド』『機工騎士』
人工知能のネットワーク世界での進化:『デジモンテイマーズ』
敵の正体がわかる流れ:『スタートレックTMP』
タケノコ魔人タケノッコーン:『ハーメルンのバイオリン弾き』(?)



いくつか露骨な描写もありますね!
ていうか小中千昭の影響がでかすぎる!



たのしそう!と思ったなら、さぁみんなもレッツTRPG。


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