人生、それはわからん

最後から二番目の虚妄

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凡人とエデン以外の戦士たち

  1. 2013.04.27(土) _22:30:07
  2. メイジももんじゃ
  3.  コメント:0
DQ7
その4


~前回のあらすじ~
 ソウカイ・ニンジャズの手練れ、ミニットマンとイクエイション。ニンジャスレイヤーを待ち伏せた二人のうち、イクエイションは真っ二つにされて絶命した。しかしミニットマンはパートナーの死と引き換えに、ニンジャスレイヤーの正体に迫るチャンスを掴んだのだ。



(詳しくはひとつめふたつめみっつめを見てくれたまえ)



さて、そんなわけで片乳なわとびマンをこっぱみじんにして
コスタールを救った凡人主人公とその一行

しかし気付けば我々エデンの戦士たちにも
「神の使いであり魔封じの力を持つ白狼の化身」
「神とともに戦った天空の兵団最強の英雄」
「神を復活させる使命を持ったユバールの神子」
そして「りょうしのむすこ」
という錚々たるメンバーが揃っており
凡人x3から始まったこの物語もいよいよ凡人が主人公だけになってきている

主人公という字を辞書で引いた後に自分の名前をそこに足しておきたい衝動に駆られた
“エデンの戦士たち”ってエデン(エスタード島)出身なの俺だけじゃねえか!!

ああ……バッツさんになりたい……
同じ凡人主人公でも、親父の「旅とかしたらいいよぉ!」とかいう
超フワフワした遺言に従ってたら、
お姫様(正統派)お姫様(クール系)お姫様(ロリ)に囲まれて世界救ってた
伝説の凡人バッツ・クラウザーさんになりたい……
うちの親父も暁の四戦士だったりしねえかな


しかし現在のところバッツさんとこの主人公とでは
同じ凡人とは言え、そのグレードの差は月とスッポンポンの中年男性
せめて中年男性に服を着せるため、僕も早く世界を救わねばなるまい!


とりあえず、このコスタールで全てのジグゾーパズルは完成した
しかし未だ魔王は滅びてはいない
僕らは「魔王によって封印され尽くした世界」を片っ端から取り戻したが、
その封印を各地に施した張本人とは一度も戦っていないのだ

崩壊の歴史はひとまずねじ曲げたが、魔王はまだ生きて、何処かに身を潜めている……!
それを完全に滅ぼさない限り、奴はまた勢力を再編成し、歴史は繰り返すだろう!


ならば行こう!
魔王に完全なる滅びを与えるまで、この旅は終わらない!



コスタールのカジノで夜通しパネルをめくっていた主人公は、
一念発起して立ち上がった!
そして流れるように100コインスロットの方に向かっていったッ!!



三日くらい後
カジノの景品に身を包んだ一行はよくわからない遺跡にいた
メルビン曰く、ここは神と魔王が戦っていた時代の名残であるという
当時の事象を知るにはやっぱり当時のものを調べるに限るよねってコトで来たものの
手がかりっぽいモノは皆無

そのうちだんだん飽きてきて、
古代文明の遺跡ってのがそれっぽかったからって理由で
聖風の谷で貰った神の石を使ってラピュタごっこを始める一行
父さんは帰ってきたよ!(漁から) よーし! 行こう竜の巣へー!




……いやー、まさかアレで本当に行っちゃうとは思ってもみなかった
「ラピュタは本当にあったんだ!」とか言ってる暇もありませんでした
何、この何の説得力も無く空に浮いてる神殿
世界中巡ってきたけど空にこんなん浮かんでることに今の今まで気付かなかった


というわけで全く実感なく天上の神殿へと辿り着いた凡人x1神の使徒x3
僕だけ場違い感がヤバい

しかもこの神殿の奴ら、
「さあ早く、残る神殿を浮上させるため台座へ!」とか「神の石の共鳴を!」とか
僕らが次やるべき事をちゃんと理解してここを訪れた事前提みたいな台詞ばっか言いよる
彼らの期待に満ち溢れたキラキラした瞳を見ると、
ラピュタごっこしてたら偶然着いちゃっただけだとかちょっと口が裂けても言えない

「あーうん、わかってたよ? アレでしょ? 共鳴をね、させるためにね? 神の石をね?
 あの……ンーフフの台座とかをね? アレして、ホラ、超イイ感じに、こう、バーっとね?」


みたいな事を言いながら必死で空気を読もうと試みる
もしもの時には最終手段バルスの準備をしつつチラッチラ周りを見て台座っぽいものを探し
それっぽい所を歩いては神の石を共鳴させ……どうやったら共鳴すんのコレ……?
汗ダラッダラ流しながら撫でたり回したり振ったり掲げたりしたらなんかどうにかなった
完全に挙動不審だったが主人公なので気にしない



超でかいジャガイモくれた
話が見えない
話がっていうかもう何もかもが見えない

ていうかこのジャガイモ空飛んでる
何コレ、反重力装置つき巨大ジャガイモ?
いや確かにこれなら全国ビックリ野菜コンテストにも優勝間違いなしだけど

完全に時間が止まったような顔してたら「くり抜いて乗れ」って笑顔で言われた
カルチャーショックにも程がある



仕方ないのでジャガイモに乗って帰った
色々なやる気を根こそぎ持っていかれたので家に帰って寝ようとすると
グランエスタードの王様がなんか呼んでいたらしい

せっかくなので城にジャガイモ乗り付けてやった
目撃者が全員楳図かずおの絵みたいな顔で「ウワ――――ッッ!!」って言ってる
これはある意味気分がいい
しかしバーンズ王よ、伝言ではなくわざわざ本人を呼びつけたからには
よっぽど面白い話じゃないと許さないぞ なんだってんだ


「あのさ、北西に化石の発掘現場あるの知ってる?」
「うん」
「これ秘密なんだけどさ」
「なに」
「掘ってたら魔王出てきた」




ウワ――――ッッ!!


あまりにも唐突にして予想外すぎる出現に
思わずこの主人公も楳図かずおフェイスになってしまった!

そのへんに埋まってるもんなの魔王!?
掘ってると出てきちゃうもんなの魔王!?

いや、どうやら正確に言うならば
「魔王の居城に繋がる神殿らしきものを掘り当ててしまった」らしいが
こいつァまさに「ここほれ王(ワン)王(ワン)」ってやかましいわ


ともかく、なんか唐突に魔王の元へ向かう方法が発覚してしまったので
なんかしっくり来ないながらもジャガイモに乗って急行する
カッコつかねえ――!!
もっとラーミアとかマスタードラゴンとかに乗って行きたいよォ!
こ、これが勇者と凡人という格の違いだと言うのか……



魔空間の神殿

化石発掘現場から地底へ地底へと下り、邪気の吹き昇る大穴を降りると、
どこか禍々しい石像と、夥しい量の魔物、そして真新しい人間の死体が一行を出迎えた
その先に見えたのは、今まで石版を嵌めこんできたそれと同じような一つの台座
迷いなく、今まで見つけてきた色の無い石版を嵌め込み、時の扉を開く

飛んだ先は、これまでよりも遥かな過去――
神と魔王とが、今まさに最後の決戦に出んとする瞬間だった

この世の全てを内包するかのような白い光
この世の全てを凝縮したかのような黒い影
両者がぶつかり合う度に、天は叫び、地は轟く
森羅万象に融ける鳴動は、刹那の残響にして久遠の絶唱
互いに叩きつける死の音色は十重二十重に連なり、螺旋に絡み合う因と果の交響曲を奏d


「ゴッド殿~wwwwwww待つでござる~wwwwwwwww」



じいさん出ました


シリアスだった空気が途端に凍りつきます
メチャ高次元だった戦闘が両者ビクッとして完全に中断しました
思わず横見るとこっちのメルビンはいたのでアレはどうやら過去のメルビンです
魔王を目の前にしてテンション上がっちゃったんでしょうか

「間に合ったでござるなwwwwww神いわゆるゴッド殿~wwwww
 拙者ホント置いてけぼりとか勘弁して欲しいのでwwwwwwwww
 一人で行くとかwwwww死にに行くようなもんですぞwwwwww
 んんwwwwwwwwwwwwwwwwwwwwww」


みたいな事言ってメルビンは神と魔王の眼前でステテコダンスをはじめました
こ、これが真の凍れる時間(とき)の秘法か


と思ったら見るに耐えなかったのか神様がメルビン封印しました
封印は魔王の十八番かと思ったら神もできたようです
メルビンは
「んんwwwwww神wwww死ぬ気でござるかwwwwwいかんですぞwwww」
みたいな事を言いながら小さな石になって飛んで行きました


えーっと……

なんか“哀しい思い出を想起する顔”で見てますけどメルビンさん
あれでよかったんですかメルビンさん
神様さっきの封印が原因でちょっと魔力消耗してますよ
あっ負けた
捨て身の一撃だけ叩きこんで粉々に砕け散ったぞ神様
あの
メルビンさん



えっと…………。



神との死闘で消耗した魔王を倒すチャンスは今しかないッ!
あの神が生命を賭して、僕らのために残してくれたこの好機!
逃すわけにはいかないんだ――ッッ!!


……こ、これでいいっスかね? 主人公の役割、これでいいんスよね?



絶妙にしっくりこないまま、
海賊シャークアイの愛剣だったと言う“水竜の剣”で魔物たちを斬り伏せながら神殿を突き進み、
玉座の間へと辿り着く!



そして
一行の前に立つ、男があった

くすんだ銀髪は冷たい金属のように鋭く禍々しく、蒼白な肌はそれ自体が刃物を思わせる
体躯を包む血のように深紅いスーツは、ぬらりと悪趣味な光沢を返し、
大きく裂けた背中から一対の黒翼が伸びて、ばさり、と空を叩いた
三つの瞳は沼底のように淀んだ紫紺
脚の先端についた強靭な蹄は、硬質な床を打ち鳴らし、
まるで死を運ぶと云われる蒼馬の如く、
悠然と、影は立っていた
その魔族の男は、満身創痍であった
然し
その魔族の王は、泰然自若としていた



「神の作りし木偶人形よ……
 其の身に宿りし命を投げ打ってまで、神に恩義を果たすと謂うか?
 我は倒れぬ。我は死なぬ。我こそは万物の絶対的存在なり……。
 我に従うこそ、誇りなり。我に逆らうこそ、過ちなり。

 木偶人形よ……其の、愚かなお前達に、今一度、考える時間を与えよう……
 夫々(それぞれ)の生ける場にて、苦痛を受け入れつつ人生を閉じるのもよい……
 ……今すぐ、この場で死ぬもよい。

 さあ、選ぶがいい……!」



なんか威厳出そうと必死ですがシリアス感が全然戻って来ません
キタキタ親父がいるパーティの苦悩を初めて知りました
後から知ったんですがステテコダンスは神様直伝らしいです
セーブ時に祈るのやめようかな


魔王は三つの瞳でこちらを見下ろしたまま、本当に手を出してくる様子は無い
この目――戦えば負ける、とは――恐らく思っていない
それは身の危険を察しての交渉などでは決してなく、
「傷つくのが解っていて、わざわざ割れた硝子を踏みつけて歩きはしない」
ただ、それだけの事に過ぎないのだろう

――だが!

「愚問! 死ではなく、我が生を以て! 貴様に亡びの楔を打ち立てるッ!
 神の為などではない、歴史の為でも、世界の為でもない――
 ――僕の中の全裸中年男性に服を着せるためにッ!!

「何それっ!?」



その他五人(魔王含む)が綺麗にハモった
ん、五人……? なんかうっすらキーファが居た気がするがまあいい

気を取り直して、魔王は精一杯のシリアス顔でなんかそれっぽい事を言う
けど正直もう無理だと思う


「愚かな木偶人形よ……
 お前達の命は何処まで行ってもお前達のもの……
 神のために使うべきものではない……
 我の言葉の意味……死を以て知るがいいッ!!
 我が名はオルゴ・デミーラ! 万物の王にして天地を束ねる者ッ!」



「イヤーッ!」
「グワーッ!」
「イヤーッ!」
「グワーッ!」
「イヤーッ!」
「グワーッ!」
「イヤーッ!」
「グワーッ!」



魔王倒しました
オルゴ・デミーラは羊に轢かれつづけると死ぬ

しかし体内からでっかいムカデみたいなのが出てきた時は焦った焦った
どう考えても本人より体積ありそうな寄生虫いた
何か食べるときはちゃんと火を通そうね



と、言うわけで
ムカデ退治が終わったので神殿を後にしました
害虫はちゃんと駆除しておくに限ります
ところでここにはなんで来てたんだっけ?



戻ってきたら、何やら以前マーディラス城でグレーテに依頼していた
天下一武道会の開催がいよいよ迫っているようです
えーっとそんなの依頼してたっけ……
まあいいや面白そうだし!

そうと決まれば、まずは使用武器の登録をしにショップを巡ろう
そして当日にはディアスの剣が見つからなくなろう


と思ったら、どうやら主人公たち一行は参加できないらしい
なんでも「使用武器は楽器類のみとする」という制限があるようで、
楽器が装備できない僕らは観戦する以外に無い
さ、さすがは音楽の都マーディラス 発想の規模が違う
参加できないのは少々つまらないものの、
バイオリンボンバーとかピアノミサイルとか
愉快な技が飛び交う戦いが見られそうなので許す


さらにグレーテは僕らが持っていた大地のトゥーラに目をつけ
それを会場の床に突き刺し
「使いこなせる者はこれを使用してよい」とした
そう、大地のトゥーラはいわゆるエクスカリバー的な「自ら使用者を選ぶ」楽器なのである
ところでアレなんで持ってたんだっけ……? まあいいや

幾人か、戦いの中で大地のトゥーラを引き抜こうとする者もいたが全員失敗
いや刺したのはグレーテさんだったので頑張れば抜けると思うんだけど
どういうわけかさっぱり抜けず
これ誰も抜けなかった場合僕らにも抜けないのではと嫌な予感がよぎる


大会はマーディラス一の弾き手であるヨハンが快進撃を見せる
相手の三節クラリネットを弦で絡め取り、サブ武器のリコーダーをもそれで受け止め
そこを支点に空中回転し、慣性を乗せたトゥーラの一撃をヒットさせた時は会場中が沸いた

そして最終的に彼が優勝するかと思いきや
決勝戦で変装したヨハンの師匠に倒されてしまったようだ
なんかこの展開見たことある気がする

しかし、ヨハンの師匠は弟子の実力を認め
刺さりっぱなしの大地のトゥーラを指して
「お前ちょっとアレ弾いてみ」みたいな事を言ってきた
するとなんということでしょう
誰にも引き抜けなかったトゥーラがするりと抜けたではありませんか

では奴が……奴が伝説の勇者……!!
あれっこんな話だったっけ?



そういえば大地のトゥーラを弾ける奴は「伝説の弾き手」として
死したる神の復活を担う使命があるとかないとかあっても首だけないとか……
アイラが「伝説の踊り手」らしいので完全にメンツは揃っている
ちょっと気にしてみてもよさそうだと思いユバールの族長の所へ行ってみる



神が復活した
どこまでも急である
なんでも前回失敗して「今はその時ではない」とか言ってたのは
単に時間帯の問題であり、夕方あたりに改めてやってれば普通に復活してたらしい
どこまでも古文書を読み間違えてるぞ旧族長


守護者たる神の復活は全国の人々に明確なヴィジョンとして届き、
永久の平和を示す声は全ての者が聞いたと言う
その姿を脅かす魔王はもう居ない

これで真に「世界を救った」と言えるだろう!
バッツさんと比べて月とスッポンポンから月とスッポンくらいにはなれた気がする
指出すとスゲー噛み付いてくる高級食材、俺!
うなりをあげる滋養強壮作用ッ!



……そんな主人公嫌だな……
落ち着いたらもうちょっと上を目指そうと思った


しかし今はひとまず神復活の宴を楽しむとしよう!
マリベルは「魔王を倒して神を復活させる」なんて愉快なイベント、
自分も参加したくて仕方なかったらしく残念そうにしていたが
安心しろ、
もっかいやる




平和になった世界で――

ガボは森で木こりの手伝いをしながら動物たちと暮らすこととなり、
アイラはエスタード城でリーサ姫の教育係と王族近衛兵に就任、
メルビンは本来の居場所である神の元へ戻り聖騎士となった
僕とマリベルは何も変わらない日常に再び戻り、
石仮面は静かに時を待つ




(つづく)



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