人生、それはわからん

最後から二番目の虚妄

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エデンの戦士たち

  1. 2013.04.30(火) _01:16:40
  2. メイジももんじゃ
  3.  コメント:0
DQ7
その5(最終回)

~前回のあらすじ~
 かつて精鋭部隊・コマンドーの隊長として名を馳せたジョン・メイトリックスは、現在は軍を退役し愛娘・ジェニーと山荘での静かな生活を送っていた。そんなある日、二人が暮らす山荘をメイトリックスのかつての上司・カービー将軍が訪れる。



(詳しくはひとつめふたつめみっつめよっつめを見てくれたまえ)




魔王との戦いから数ヶ月――
世界には飽きるほどの平和が続いていた
どれくらい平和かって言うとそれはもう
ムーミン谷が合戦場に見えるくらい平和だった

最近は神の加護なのか、遠くの漁場まで行かなくても
日帰りでボコスカ魚が獲れるらしい

マリベルは平和に飽き飽きしているような素振りを見せていたが、
本心としては、現状にどこか奇妙な違和感を覚えているようだ
賢さ世界一は伊達ではない


「神」と一言に言っても、それには創造神、維持神、破壊神など、様々な種別がある
各地の宗教・伝承は変化するものであり、実際のところはいずれも不明なのだが、
世界を創ったと言われる神は“創造神”グランゼニス
今ここで言われている神は、その創られた世界を守護・維持する者――
精霊ルビス等と同じ“維持神”にあたると思われる
いや、他の神を見たことはない以上、あれが唯一の創造維持神なのかも知れないが


だが――にしては、“人間だけ”を贔屓しすぎていないか?
“人間にとって”都合のよい奇跡を多く起こした神は、今や世界中の信仰を集めている
確かに、病気や怪我はすぐに治り
魔物や野生動物に人間が襲われる例も無くなり
人間同士の争いも絶えた

しかし、それでは「神の奇跡」と称して乱獲される魚たちはどうなる?
安全を約束され、増え続ける人口はどう管理する?
……これは、本当に「世界を維持」するための管理なのか……?


疑念を確かめる好機は、存外にすぐやってきた
あれから建造された神の居城クリスタルパレスに
バーンズ王を始めとする各国の有力者が招聘されたのだ

近衛兵であるアイラと共に、乗り物を提供するという理由をつけて
主人公は神の居城――クリスタルパレスへとジャガイモを乗り付けた

神の兵団が楳図かずおの絵みたいな顔で「ウワ――――ッッ!!」って言ってる
王様大爆笑
なかなか役立ってるぞこの反重力ジャガイモ

そして神の降臨に立ち会い、謁見に同行したものの
「武器を捨てよ、争いを止めよ」みたいな事言うだけで帰ってった
わざわざ各国の王様とか呼びつけた意味がよくわからない
マジ何しに来たのお前

所有していた闇のルビーを「邪悪な波動を感じる」とか何とかで
浄化するために取られちゃったんだけど
砂漠の女王フェデルさんから預かった品物なのでちょっと手放すのは心が痛む
いや確かにまがまがしさMAXなんですけどね



ちなみに帰る途中
メルビン率いる聖騎士団がホンダラと追いかけっこをしていた
何があったかは想像に難くないが(多分金儲けのネタにしようとしてる)
あれ神に対する反逆罪とか不敬罪とかで処刑されちまわねえかな……



帰路
再び反重力ジャガイモに乗り込んでグランエスタードへ……
今まさに向かっている、その時であった

暗黒の紫雲、垂れ込めて蒼穹を覆い、
陽の光が遮られたせいか、気温は急激に低下し、
風は虚ろに淀んで揺蕩う

奇妙に思った刹那、衝撃!
巨大な地震にも似たその揺れは、
しかし確かに空中にあるはずのこのジャガイモごと、
空間そのものを揺るがすような鳴動となって
エスタード島全域に襲いかかった

そこまでの衝撃に、
こんなナス科の球根なんかで耐えられるはずがない
制御を失い落下する寸前に、真空呪文でブレーキをかけ、
主人公達はちょうどエスタード城の屋上に不時着したのであった


……王様だけ打ち所が悪くて意識が混濁している!?

しまった、我々は世界一高い塔から落ちても平気なタイプなので
一般的なヒトの耐久力を完全に失念していた
ヤッベェとか思っていると兵士がものすごい勢いで飛んできて
ものすごい勢いで王様を運んでいった


とりあえず任せておいて大丈夫そうなので
改めて空を見上げる
うん、一面の紫!
線画がしっかり閉じてないのに塗りつぶしちゃった時くらい一面の紫!
背景全潰れ!

慌てて城の外へと向かうと
なんとまあ、魑魅魍魎が跳梁跋扈
敵意MAXな強力な魔物のバーゲンセールでありました
とりあえず片っ端から岩石を投げつけておいた
こいつはチョベリバな事態になってきやがったぜ
城の守りを確認し、ひとまず防衛手段が無さそうなフィッシュベルへと向かう


村に襲い来る魔物、全部マリベルが単騎で薙ぎ払ってた
心配して損した
いや、しかし迎え撃つだけでは状況は好転しない
現在何が起きているのかすらも解らないままなのだから


一つ確かなことは、
精霊の守護によって魔王でも封印できなかったこの島が、
今は封印されてしまったということだけだ

島から出ることは簡単にはできそうにない
この島の中で、“封印”という事象に関連する施設はあの神殿だけだ
僅かな望みに賭けて行ってみることにした
これでダメなら強引に海を渡る以外にない! 絶対やりたくねえ!

しかしここからパーティにマリベルが復帰!
じいさんの定年退職まで秒読み段階に入った



誰もいないはずの神殿のどこかから、微かに声が聞こえる……
ここでは「うう……やだなあ、こういうの……」と言って怖がるマリベルが見られます
超かわいい

そして謎の声を辿って行くと……


「ま殿wwwwww拙者でござるwwwwww」


じいさん出ました
毎回毎回唐突すぎます
お前には神出鬼没じいさんの称号を与えよう


神じい(略称)の話によると
この封印を施したのは神であったらしい
エスタードの他にもエンゴウ、砂漠の城、聖風の谷などのある大陸を
邪悪な存在として消し飛ばしたとか
ちょっと待てそんなの覚えが無…… ……ホンダラ……


原因一人を生贄として捧げるために神に会う必要が出てきた
幸いにして同様の封印現象は幾度と無く経験済みなので
内側から解けることもわかっている
なんでも神に近い存在である四人の精霊が封印された地にはいるらしく
その力を借りて強引にブチ破ろうという事になった


封印されたのは神殿の旅の扉から飛べる場所ばかりだったが
旅の扉の入口に灯されていた炎が消えており、空間接続が途絶えている
これでは他の地へと赴くことができない
万事休すか……!

マリベル「メラゾーマ」

火がついた
どうにかなるもんである

開通した旅の扉をくぐって一行はエンゴウへ向かう



エンゴウ

ジル!ここにもアンブレラが!
いや違うモンスターが!
とりあえず岩石を投げつけ……あっ村人に当たった
ごめん



と、ともかくこの状態を打破するために精霊を呼び起こす必要があるため
いかにも炎の精霊がいそうな、以前も登った火山へ突っ込む

案の定いた
でもなんか何故か半ギレ状態
扉に鍵が閉まってたので岩石を投げつけて壊した上に
火口の火が随分元気なかったからキャノーラ油を投げ込んだ
のが
ちょっと問題だったのかもしれない
確かに僕なら、気持ちよく寝てたところを
知らん人に家の玄関ぶっ壊されて
部屋にキャノーラ油ぶちまけられたら
泣くと思う
さめざめと泣くと思う

力づくで言うこときかせる事にした
死ぬほど失礼な人間が来たと思ったら突然のアルテマソード
トラウマものである

でもなんか「強い奴は好きだ」みたいなこと言って協力してくれた
さてはこいつホモか
いや考えるのよそう


炎の精霊は聖なる炎で他の旅の扉を開通させ、
荒れ狂う海に、連なる炎の道を開いた

するとなんと、その炎の道を通って、
我々がゆくよりも先に、こちらにやって来るものがあった
それは戦艦ほどもある船である

あ、あれは――過去のコスタールで聞いたことがある
まるでドラゴンのように巨大な海賊船、マール・デ・ドラゴーン!!
ふざけてんのか

いや、それはともかく
海賊船マール・デ・ドラゴーンは魔王の呪いによって永遠の封氷に閉ざされたはず
魔王を倒したことで魔力が断たれ、数百年後の今になって
ようやく氷が溶け切ったのだろうか
ていうか一緒に落ちてきてたんだ……
そういえば砂漠の大陸あたりで封印されてた気がする

矢も楯もたまらず飛び出し、海賊船に侵入しようと試――
怪しまれて落とされた
当然である
アイサツぐらいすればよかった


必死で人間であることをアピールしながら這い上がる
相変わらず全く格好がつかない主人公である


マール・デ・ドラゴーン
油断ならない雰囲気の、しかしどこか優しい眼をした、長い黒髪の青年
世界最強の海賊、その総領 名はシャークアイという

彼は僕の持つ水竜の剣を見て驚いているようだったが、
コスタール王からそれを託されたことを説明すると納得したようだ


――しかしその後、シャークアイの視線は剣から外れ、
それを持つ僕の手――正確に言うと、腕のアザに注がれていた


「……水の紋章」


彼がそう呟いた瞬間、右腕のアザが青く光り輝いた
同時にシャークアイの腕の輝きで、彼にも同じアザが刻まれていたことを知る

それは、水の紋章の片翼
僕の紋章の片翼と対になった、紋章の欠片
青い光は、二人が同時に手にした水竜の剣を伝い、次第に強く激しく、勢いを増していく


剣が落ちて床に突き刺さり、光が止んだ時、
二人の紋章は一つになり、僕の腕に改めて宿った
シャークアイは感情に表情が追いつかないのか、無表情のまま「そうか」と一言
そして、呆然と立つ僕の両肩に手を置き、かすかに口角を上げながら
「あなたが、そうだったのだな」
そう、呟いた

シャークアイ、改めマール・デ・ドラゴーンの総領は、
代々この“水の紋章”を受け継ぐ一族であるという
大地の紋章を胸に抱くユバールの民と同様、水の精霊に仕える流浪の民
それが義海賊マール・デ・ドラゴーンの正体だったのだ

では、産まれつきその紋章を持っていた主人公は――

「――まさか」

言葉の続きは、波の音に遮られた
いや、もう確かめなくても解っている
いま、眼前に立つ男こそが――我が本来の父であると


波に続いて聞こえたのは、それとよく似た流麗な声
水の精霊そのもののお告げだった
彼女は一行に「残る二人の精霊を探せ」と告げた
この封印の解除にはそれほどの力を束ねなければならないという事だ
かつて魔王に施された封印よりも段違いに強力な封呪である

言葉は交わさず、父、シャークアイと視線を交差させる
彼は頷き、床に刺さった剣を抜いて、僕に差し出した


水竜の剣は、
水の紋章は、
父から子へと手渡された
振るう剣閃は蒼く、白く、波飛沫にも似て宙空にひらめく


今、僕は
この物語の主人公として
高らかに宣言しよう



脱・凡人!!!!!!!!!!!!



こうなってはもはや怖いものなどないッッ!!
精霊の加護を受けた四人の神子のうち“水”の戦士、俺!
やばい! 負ける気がしない!



というわけで負ける気がしなくなった主人公一行は
砂漠の城に突っ込んで大地の精霊を召喚する儀式を探り、
シャーマンが地面に精霊の姿を描いている途中
「顔を忘れてしまって喚べない」とか言い始めたので
代わりに適当に書いたら意外とどうにかなった

でも召喚した精霊、左右のバランスが崩れてる
やっぱ反転してバランス確かめなきゃダメだな!


お次は風の精霊である
なんでも精霊像を完全な姿に戻さなければならないらしい
そのためには風のローブが必要らしいが
ただのぬのきれ重ねてそれっぽい形を作ったら意外とどうにかなった

風の精霊……3DSで超かわいくなってる!?
いや前のも結構かわいかったけど
あとさすがに死語だからかギャル語を使わなくなってる!?
……性格はそのままだけど
ともかく全ての精霊の協力を取り付けることに成功したッ!

あと3DS版だとセファーナさんが随分かわいくなってました
ここは全体的に可愛さが増す運命の地なのか



そして――
炎、水、地、風の精霊すべてが覚醒し、集結した力の奔流は、
闇の封印から全ての大地を解き放った!

しかし、精霊の力はそれだけでは留まらない
主人公たちと共に、四人の精霊はクリスタルパレス上空へと飛び
呼応するように現れた神に伺いを立てる


「我らが神よ、かの闇の世に精霊の源までも貶めた理由、お聞かせ願いたい」

――「必要の無いものは捨て置かれるが現実、此世に真、必要なのは神たる我の力」

「そも我らを、国々を闇に落とせしその所業、真に貴方の御力か?」

――「己が身を省みよ、そして再び闇の中で安らかな眠りに就くがよい」

「ならば貴方は! 決して神ではありますまいッ!」



迸る閃光
灼熱した大気は暴風を呼び
烈風は海洋を逆撫で波濤となり
波濤は大地を砕いて爆ぜる

十重二十重、神に叩きつけられた空間の歪曲は、やがて一つの形を取る
ゆがみ、ひずみ、うねり、にじみ、
世界に一つ落とされた虚構を、あるべき姿に戻してゆく
その姿は――天魔王、オルゴ・デミーラ……!


「成程――精霊とは、取るに足らん神の手駒と認識していたが……
 神の力の現身、か。些か侮ったわ……
 然し、その力すらも果てた抜け殻には、もはや我に触れる事は能わぬ
 今更、貴様ら木偶人形どもが何をしようと無意味に等しい!
 所詮、神の真似事など、魔力が戻るまでの戯事に過ぎぬのだからな……!」



その禍々しい緑の腕の一振りで、精霊たちは空間を掻き裂く衝撃に吹き飛ばされる


羊に轢き殺されたとは思えない威厳を放ちながら
天魔王は両腕を振り上げた
するとクリスタルパレスがタケノコめいてニョッキニョッキ成長
下の方に埋まってたすこぶるキモいタワーが現れたではありませんか!



見上げてたら上からじいさん落ちてきた
ことごとく唐突な奴である

しかし、じいさんに気を取られている間に、魔王はクリスタルパレス……
もとい、ダークパレスの中に消えた
それは、あの塔が本当の、魔王の本拠地であると言うことを示唆する

さあ、いよいよ最終決戦である
世界各地の人々は信じていた神が魔王であった事に戸惑い、
社会情勢は一気に不安定になりつつある
早急に決着をつけねばなるまい

そんなわけで、一行は反重力ジャガイモに乗って魔王城へ――
最後の最後までコレかよ!?
もっといい乗り物ください
せめて流体力学を考慮してあるやつ



ダークパレス
内部にラーの鏡が確保してあった
正体バレないようにするためだコレ
デミーラさんは今までの魔王たちに比べて随分と注意深い……
世界征服まであと一歩のところまで近付いただけはある


静謐な神殿のような区域を抜けると、地底に埋まっている部分……
まるで生物の内臓のような、悪趣味な空間に出る
さらにそこを抜けると、また妙に静まり返った部屋が開けた
水の精霊の加護を得てさらなる道を開き、先に進む


……ぼ、凡人じゃない感……!
やべえ水の精霊の加護とか使っちゃってる!!



本当は別に本人の加護とかではなく精霊に貰ってたアミュレットの力なのだが
まあ細かいことは抜きにしよう!


激流の洞窟――
ここは魔王城の一部ではなく、結界を抜けるために
水の精霊が造り出した空間である
その空間を抜けようとすると、
冒険の最初、聖者の像に捧げた剣にそっくりな剣が眼前に突き刺さった


海嘯《オチェアーノ》の剣……それは水竜の剣と同じ紋章が刻まれている、水の精霊の剣
水竜の剣が父のための剣だったとするならば、
この海嘯の剣は僕のための剣なのだ
直感的に理解し、その柄を握り、引き抜く
流れる水のように軽く、しなやかな刀身は、まるで煌めく水の流れがそう在る如く
空を縦に斬り裂いた
斬り裂かれた空間の向こうに見えるのは
深緑の魔竜――
天魔王、オルゴ・デミーラの座する魔空間の神殿



マリベル「もう ここまで来たんだから
  あとには ひけないわっ!
  ……て やっぱり ちょっと
  こわいよね……。
  ちゃんと あたしをまもってね。」



負ける気がしない
これは負ける気がしない

ていうかもう負ける方が難しい

オチェアーノの剣取ったらリレミトして他の防具も取ろうとしてたら
間違えてここまで進んじゃってリレミトできなくなった事なんか
すっかり忘れ去ってしまった
勝つしか無い
強引に進んできたからレベルも残りMPも足りてないけど勝つしか無い



「我は魔族の王にして、絶対無比の存在なりき……。
 万物の長たるは、我以外には無し。
 神に作られし木偶人形共よ、未だ其が解らぬのか?
 嘗てお前達が神と崇めし者は、我が永劫の闇に葬り去った。
 愚かなる者よ……そなたらに、我を崇める外、生きる道は無いのだ。
 我が名はオルゴ・デミーラ。万物の王にして天地を束ねる者。
 さあ来るがよい……我が名をそなたらの骸に永遠に刻み込んでやろう!」



骸に名前を刻みたがる魔王
ハラワタを喰らい尽くしたがる魔王くらいインパクト強いです
しかしこっちには勝利の女神ことツンデレ様がついている



戦いは熾烈を極めた

天魔王は強靭な深緑の竜の体躯が傷付くと再び魔族の男へと変貌し、
強力な魔法を使った攻め方に切り替える
唐突に「美とは何なのか教えてあげるわ!」とか言い出したけど
このゲームそんな話だったっけ……? まあいい考えるのはよそう(いろんな意味で)

魔法を相殺しようとも試みたが、さすがに魔族と人間では魔の力への親和性が違うため
若干ながら相手が勝ってしまう
故に相殺ではなく、同系統の魔力を撃ち込むことによる“増幅”!
加算された魔力は僅かに力のベクトルを変え、両者の制御の手を離れる
増幅された極大爆裂呪文や火炎呪文の威力を受け、神殿は次第に崩れてゆく


やがて業を煮やしたか、オルゴ・デミーラは再び身体を変貌させ、
あの醜悪な深緑の躯体を再び取り戻した
しかし先程の巨体ではなく、飽くまで魔族の姿を保ったまま、である
巨体から凝縮された体組織は、強靭な皮膚と筋繊維に変わる
びっしりと身体を覆う翠の鱗は、鋼のように硬質な――
――しかし、それを維持する魔力が切れてきているのか、一部が溶けて剥落していた


「往生際の悪い奴らめッ! だが、そろそろ終わりにしよう……!
 所詮、神が作りし木偶人形ッ! この俺様の敵では無いわァッ!」



取り繕っていた体裁が翠の皮膚と一緒に溶け落ち、
激情に任せて魔王の劣悪な本性が垣間見える
既に先程までの余裕は無い
それだけに、充分に油断無かった攻め手も更に切れ味が増し、
防護魔法による防御の上からも多くの体力を、戦う気力を削り取られる

その一撃を受けるたび――“勝利”を、疑ってしまう

こんな化物に本当に勝てるのか、と
この剣を振るう意味があるのか、と
圧倒的な力を見せつけられる度、自問してしまう――!

しかし、僕達は、剣を振るう手を止めることは無い
信じていたからだ
束ねることの力を
結束することの力を
諦観を踏み締め、その先へと歩く力を
――人間の、力を


「グゴゴゴゴ……我の身体が……身体が、崩れてゆくッ……!?
 なんだッ……木偶人形共ッ、この力は……一体何なのだッ……!」



零落した魔王は呻く


「それは」


――それは


「貴様には解るまい」


人の心の闇をのみ見て、利用し尽くしてきた魔王には!

人の心の光をのみ信じ、ここまで踏破してきた、ただの人間の力など、
言って理解できよう筈がない――!


どろどろと崩れゆく身体を引きずり、オルゴ・デミーラはそれでもなお、
骨の露出した腕を振り上げて殺意を振りかざす
その、おぞましいほどの生への執着は、やがて紫色の魔力の奔流となって周囲を包み始めた!

――暴走した魔力が、爆発を起こす――!

死なば諸共、と言うわけではない
奴のあの溶け崩れた赤い瞳は、眼前の生しか見ていない
自らを脅かす敵を、ただ倒すこと
ただそれだけの、単純な行動原理
結果、それで自らが滅び去る事になるであろう事を……もはや理解していないのだ


「おの、れェ……よくも、やって……くれたなァァ……許さぬ、許さぬぞォ……ッ!」


闇が加速する
あの躰に残されていた膨大な魔力が全て解き放たれ、
何の指向性も与えられないままに迸り、流れる

その呪文の名は――魔力解放呪文《マダンテ》
かつて魔法都市と呼ばれた伝説の都カルベローナにおいて研究・開発されたと言う
最強にして最後の秘呪文……!

だが――

「さすがは魔の王、散り際に考える事も同じか」

翳した手から伸びる青白い光によって、複雑な魔法式が円形に展開される

「対抗呪文“零の術式”――《マジャスティス》!」

青白い光の奔流が、空間すべてを埋め尽くすほど広がった紫紺の魔力に混ざり合い、
その魔力の因子全てに、別方向への指向性を与え、掻き消してゆく
かなり応用した呪文の使い方だが、あの大神官がやっていたのをしっかり見ておいてよかった

その呪文から放たれる凍てつく波動は、“あらゆる魔力を無に還す”

――これが、今まで出会った人々が、教えてくれた事
どんな絶望の中にあっても、希望への道を踏破するという事――!

跳躍、
そして盾を捨て、青く魔力を帯びて煌めく剣を両手で構える
まるで巨大な海《オチェアーノ》の波濤のうねりが、凝縮されてつるぎの形を取ったかのように


「覆滅のォッ!」

その後ろに三人の仲間を引き連れて、
押し寄せる海嘯は上天より地を穿つ

「クァドラプル・アルテマソード!!」


四つの刃閃がオルゴ・デミーラの身体を穿ち、
その傷の深奥から伸びる、白く眩い光条が天を貫いて、
溶け崩れた躯体を灼き尽くしていった――



――――堰を切ったかのように崩れゆく神殿から、僕らがどうやって助かったのか
詳しくは覚えていない
恐らく精霊たちか、もしくは本物の神か何かが手を引いてくれたのだろう
ただ事実だけを言うならば、
ぼろぼろに傷ついた僕達はいつの間にか天空の城ラピュタに立っていた

なんかメルビンが
「わしは本来、違う歴史を生きた者……ここで別れる運命で云々」
みたいな事を言っているがわりと頭に入ってこない

もう凱旋の乗り物が反重力ジャガイモなのはツッコまない事にする
よく見ると既にちょっと芽が出ている……日の当たる場所に置いといたからなあ……


あとグレーテ姫にちょっと迫られた
さすがシリーズ中でも女運が最悪な主人公……
まあ外の主人公と比べると不幸度がだいぶ低いのでよしとしよう




その後――


神のいない平和な世界にも、人間はまた慣れてきた

ガボはやっぱり木こりの手伝いをして森の動物達と暮らし、
アイラは相変わらずリーサ姫の教育係、兼、王族近衛兵だが、
グランエスタードの次期後継者となる予定すら出てきているらしい
メルビン……はそういえばどこいっちゃったんでしょうね?
僕とマリベルは退屈で平穏な村の日常にまた戻っていった

なんかシャークアイから海賊の時期総領にならないかと言われてるけど
海賊って何すればいいの? また前のコスタールの時みたいに海軍?


そんな事を考えながら漁師ライフを続けていたある日のこと
奇妙なものが網に引っかかったと聞いて、僕は船室から飛び出した

まさか、またあの石版が……?
思えばあの神殿の出自に関する謎自体は全く解けていない
この世界には、まだ何らかの秘密があるのか?

胸中にあるのは期待と不安
なんか無理を言って乗り込んできたマリベルと共に
様子を見に甲板へと上がる






キーファが引っかかってた




「…………」

「…………」

「…………」

「……石版は?」

「ごめん準備中に引っかかった」

「…………」

「…………」

「……あの、メッセージ……えっ……」

「…………」

「……冒険、行こうぜ!









 DRAGON QUEST VII
エデンの戦士たちとキーファ



     
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